
ついに迎えた、電話での第1回調停。
待っていたのは、窓口の事務の方々とは対照的な、驚くほど優しい3人の調停員さんたちでした。
私の話を丁寧に、じっくりと汲み取ってくれる。
その温かさに、私の肺には久しぶりに深い空気が入り、
「これなら、いつ頃離婚できるかな……?」
なんて、期待に胸を膨らませていました。
1人あたりの持ち時間は30分。
私は自分の番を終え、次は彼の番です。期待と不安が混ざった待機時間を過ごします。
ところが、予定を大幅に過ぎた50分後。
ようやく呼ばれて入った部屋で、調停員さんたちの口から漏れたのは、信じられない言葉でした。
「いやー、すごいですね……あちらの方。すごく怒ってます。」
調停員さんたちが聞いた、元夫の言葉。
「おたくらの勝手な考えだろ!」
「そんなん、こっちは関係ねぇからよ!」
そこには、公的な第三者である調停員さんに対してすら、私の想像を超える「暴言」の嵐が吹き荒れていたそうです。
その瞬間、私の淡い期待は一気に弾け飛びました。
(あぁ、こりゃダメだ。まともな話し合いなんて、1ミリも成立しない。)
離婚への道が遠のいた絶望感。
でも、ここでただ泣き寝入りして終わらないのが、今の私です。
私はすぐさま、手元にあった紙に必死でメモを取り始めました。
調停員さんが語る、彼の暴言の数々。
公的機関に向けられたこの異常な態度の記録は、いつか必ず「証拠」として役に立つはずだ。
そして、私は一瞬で決断しました。
「……もう無理そうなので、今回の調停はやめます。取り下げてもいいですか?」
調停員さんからの返事は、「そうねぇ、この状態じゃあ話し合いは難しいかもね……」というものでした。
あっさりと、私の初めての調停は幕を閉じました。
今、こんなにヒートアップしている彼と、真っ正面からぶつかり合う気力は、私には残っていません。
今は戦う時期じゃない。無駄に消耗するだけの場所からは、即座に「撤退」する。
「まずは、普通に働こう。」
そう心に決めました。
今は自分の足場を固めることが先決だ。
私は、重い足取りで家庭裁判所を後にしました──。