2日前

第17話 期待と絶望の50分間。調停員への暴言と、私が選んだ「戦略的撤退」

ついに迎えた、電話での第1回調停。

待っていたのは、窓口の事務の方々とは対照的な、驚くほど優しい3人の調停員さんたちでした。

私の話を丁寧に、じっくりと汲み取ってくれる。

その温かさに、私の肺には久しぶりに深い空気が入り、

「これなら、いつ頃離婚できるかな……?」

なんて、期待に胸を膨らませていました。

1人あたりの持ち時間は30分。

私は自分の番を終え、次は彼の番です。期待と不安が混ざった待機時間を過ごします。

ところが、予定を大幅に過ぎた50分後。

ようやく呼ばれて入った部屋で、調停員さんたちの口から漏れたのは、信じられない言葉でした。

「いやー、すごいですね……あちらの方。すごく怒ってます。」

調停員さんたちが聞いた、元夫の言葉。

「おたくらの勝手な考えだろ!」

「そんなん、こっちは関係ねぇからよ!」

そこには、公的な第三者である調停員さんに対してすら、私の想像を超える「暴言」の嵐が吹き荒れていたそうです。

その瞬間、私の淡い期待は一気に弾け飛びました。

(あぁ、こりゃダメだ。まともな話し合いなんて、1ミリも成立しない。)

離婚への道が遠のいた絶望感。

でも、ここでただ泣き寝入りして終わらないのが、今の私です。

私はすぐさま、手元にあった紙に必死でメモを取り始めました。

調停員さんが語る、彼の暴言の数々。

公的機関に向けられたこの異常な態度の記録は、いつか必ず「証拠」として役に立つはずだ。

そして、私は一瞬で決断しました。

「……もう無理そうなので、今回の調停はやめます。取り下げてもいいですか?」

調停員さんからの返事は、「そうねぇ、この状態じゃあ話し合いは難しいかもね……」というものでした。

あっさりと、私の初めての調停は幕を閉じました。

今、こんなにヒートアップしている彼と、真っ正面からぶつかり合う気力は、私には残っていません。

今は戦う時期じゃない。無駄に消耗するだけの場所からは、即座に「撤退」する。

「まずは、普通に働こう。」

そう心に決めました。

今は自分の足場を固めることが先決だ。

私は、重い足取りで家庭裁判所を後にしました──。