3日前

第16話 淡々と進む家庭裁判所の窓口と、私が「なんとなく」つけた運命のチェック】

「離婚に向けた別居であるという証明(調停中という事実)」を手に入れるため、私は家庭裁判所へと向かいました。

窓口にいた職員さんたちは、驚くほど「淡々」としていました。

私にとっては人生をかけた、肺が引きちぎれるような重い決断。でも、彼らにとっては日々繰り返されるルーチンワークの1つに過ぎません。

しかし、人の顔色に敏感すぎるHSPの私にとっては、その冷徹なまでの「普通さ」が、逆にありがたかったのです。同情も批判もされない事務的な空間は、余計な感情を揺さぶられずに済む防波堤のようでした。

渡された申立書の書類に、事実を埋めていく。

その項目の中に、確か**「婚姻費用の分担(別居中の生活費)」**についての記述がありました。

その時の私に、深い戦略があったわけではありません。

一番の目標は離婚と児童手当。離婚できれば、彼からの生活費なんて別にいらない。

でも、「まあ、もらえるものなら、もらいたいな」。

ただ「なんとなく」、私はその項目にペンでチェックをつけました。

この無意識のチェックが、後に私を救う最強の武器になるとは知らずに。

書類を受理され、ついに調停の開始が決まりました。お互い県外に住んでいるため、最寄りの裁判所を通じた「電話での調停」です。

物理的に顔を合わせる危険を回避できたことで、少しだけ安心していた私。

しかし、いざ始まった初めての調停で、私は自分の甘さを思い知ることになるのです──。