12日前

第5話 HSPの「苦手センサー」が鳴り響いた夜。モラハラ夫との最悪な出会い

偽りの自分を演じ、キャバクラで「売上1位」と波に乗っていた頃。

私の前に、”彼”は現れました。

会社の飲み会の付き合いで、渋々連れてこられた無愛想な男。

ムスッとしていて、第一印象は最悪でした。

席に着いた瞬間、私の「HSP苦手センサー」は、最大音量でけたたましい警告音を鳴らしていました。🚨

「あ、この人、絶対に合わない。」

威圧感がすごくて、息が詰まる。直感がそう告げていました。

当たり障りのない共通点の話でその場を凌ぎ、私はLINEを交換することもなく、足早に彼の前から去りました。

「関わるだけ無駄な人だ」と、完全に心のシャッターを下ろしていたのです。

■ 予期せぬ「逆指名」と、甘いトラップ

しかし、数日後。

ボーイさんから告げられたのは、なんとあの男からの**「指名」**でした。

わざわざ一人で、私を指名して再来店してきたのです。

ここで、HSP特有の「相手を強く拒絶できない性質」と「自己肯定感の低さ」が仇となりました。

「あんなに無愛想で、つまらなそうにしていた人が……私を認めて、わざわざ来てくれたの?」

その**「ギャップ」**と、選ばれたという承認欲求に、私はまんまと釣られてしまったのです。🎣

気づけばLINEを交換し、連絡を取り合う関係に。

そして、あっという間に同棲の話が持ち上がりました。

「一人暮らしで部屋が広いから、一緒に住まない?」

当時、私は実家暮らしで特に不自由はありませんでした。

でも、「なんか、楽しそうかも。」

その場の流されやすさと軽い直感だけで、私は「同棲」という巨大なリスクに足を踏み入れてしまったのです。

■ 妥協が招いた「破滅ルート」

決して、価値観が合うわけじゃない。

些細な言い合いも絶えませんでした。

でも当時は、まだ私にも言われたら言い返せる「対等な立場」がありました。

「まあ、完璧な人なんていないし、これはこれでいいか。」

そんな小さな妥協の連続が。

同棲、両親への挨拶、結婚へと……私をノンストップで地獄の底へと引きずり込んでいきました。

あの夜、私のセンサーが鳴り響いていた「無愛想な横顔」。

あれが、私の人生と精神を根底から破壊する「モラハラ」の正体だったと気づくのは……

逃げ場のない密室で、すべてを失った後のことでした──。