
偽りの自分を演じ、キャバクラで「売上1位」と波に乗っていた頃。
私の前に、”彼”は現れました。
会社の飲み会の付き合いで、渋々連れてこられた無愛想な男。
ムスッとしていて、第一印象は最悪でした。
席に着いた瞬間、私の「HSP苦手センサー」は、最大音量でけたたましい警告音を鳴らしていました。🚨
「あ、この人、絶対に合わない。」
威圧感がすごくて、息が詰まる。直感がそう告げていました。
当たり障りのない共通点の話でその場を凌ぎ、私はLINEを交換することもなく、足早に彼の前から去りました。
「関わるだけ無駄な人だ」と、完全に心のシャッターを下ろしていたのです。
■ 予期せぬ「逆指名」と、甘いトラップ
しかし、数日後。
ボーイさんから告げられたのは、なんとあの男からの**「指名」**でした。
わざわざ一人で、私を指名して再来店してきたのです。
ここで、HSP特有の「相手を強く拒絶できない性質」と「自己肯定感の低さ」が仇となりました。
「あんなに無愛想で、つまらなそうにしていた人が……私を認めて、わざわざ来てくれたの?」
その**「ギャップ」**と、選ばれたという承認欲求に、私はまんまと釣られてしまったのです。🎣
気づけばLINEを交換し、連絡を取り合う関係に。
そして、あっという間に同棲の話が持ち上がりました。
「一人暮らしで部屋が広いから、一緒に住まない?」
当時、私は実家暮らしで特に不自由はありませんでした。
でも、「なんか、楽しそうかも。」
その場の流されやすさと軽い直感だけで、私は「同棲」という巨大なリスクに足を踏み入れてしまったのです。
■ 妥協が招いた「破滅ルート」
決して、価値観が合うわけじゃない。
些細な言い合いも絶えませんでした。
でも当時は、まだ私にも言われたら言い返せる「対等な立場」がありました。
「まあ、完璧な人なんていないし、これはこれでいいか。」
そんな小さな妥協の連続が。
同棲、両親への挨拶、結婚へと……私をノンストップで地獄の底へと引きずり込んでいきました。
あの夜、私のセンサーが鳴り響いていた「無愛想な横顔」。
あれが、私の人生と精神を根底から破壊する「モラハラ」の正体だったと気づくのは……
逃げ場のない密室で、すべてを失った後のことでした──。